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【水戸 医療・がん保険 ニュース】1・5TMRリニアック、がん治療期間の大幅短縮へ 1~2週間で完了する可能性 世界で37台しか稼働していない

https://news.yahoo.co.jp/articles/27aaf9771134c4f5915816b03b8d98790cd440cd

1/11(火) 17:00配信

宇野隆部長と千葉大学医学部附属病院が導入した「1.5T MRリニアック」

【がん攻撃に新たな武器! 変わる放射線治療】

日本初の「1・5T MRリニアック」によるがん治療が昨年12月からスタートした。患部の画像をリアルタイムに見ながら、高エネルギー直線加速のリニアックで放射線治療を行う。

「携帯電話からスマートフォンに変わったほど、MRリニアックの登場は大きな意味を持ちます。まさに、がんの放射線治療医が待ち望んだ装置ともいえるのです」

こう話すのは、千葉大学医学部附属病院放射線部の宇野隆部長。がん放射線治療を長年行う一方、放射線治療の発展に尽力している。

従来のリニアックも、CT(コンピューター画像診断)検査と組み合わせた装置の登場で、事前の検査画像で詳細に立てた計画に基づき、がんの形に沿って照射できる。ただし、リアルタイムにCT画像を見ながら照射はできない。臓器は、呼吸などで微妙に動くため一緒にがん細胞が動くことを考える必要がある。

「臓器の動きを想定し、がん細胞への照射範囲を1~2センチ程度は広めにプランニングするのが、今までの方法です。このズレをなくし、がん細胞だけに照射するメリットは大きい。その願いがMRリニアックで叶ったといえるのです」

高エネルギーの放射線は、がん細胞を死滅させるが、正常な細胞に当たればダメージをもたらす。臓器の動きを想定した1~2センチのブレがあることから、なるべく正常の組織へのダメージを弱めるため、がんの位置によっては、放射線量を加減して治療を行うのが一般的だ。結果、治療時間が長くなる。がんの種類にもよるが、週5回で3週間から6週間通院というのは、根治を目指すときには珍しい話ではない。

「MRリニアックでリアルタイムにがんの位置を確認し、照射することができれば、1回の放射線量を上げることができます。以前は3週間以上かかった治療をたった5回で終わらせることも、理論上は可能です」

MRリニアックでがんと正常な組織の境目を確かめ、呼吸などの動きに合わせて照射を行えば、正常組織への照射を極力減らすことができる。がん細胞を死滅させるための放射線量も上げることで、治療期間の大幅な短縮につながると考えられているのだ。これまでは、1~2カ月毎日のように通院が必要だった放射線治療が、たった1~2週間で完了し、がん細胞を消滅させる可能性がある。

「『1・5T MRリニアック』は、世界で37台しか稼働していない(2020年時点)新しい装置です。治療を行っているうちに、さまざまなメリットが期待できますが、実績を重ねた上で新たな治療法の確立に貢献したいと思っています」

MRリニアックは、これまで治療が難しかった臓器のがんに対しても、適用が拡大できると考えられている。それについては、あす紹介する。 (取材・安達純子)

■宇野隆(うの・たかし) 千葉大学大学院医学研究院副研究院長、画像診断・放射線腫瘍学教授。日本放射線腫瘍学会専務理事。1988年千葉大学医学部卒。国立国際医療センター放射線科勤務を経て、2012年より現職。

■放射線がん治療の流れ

①紹介状持ち受診の予約を入れる

②放射線治療医の診察と治療方法の説明など

③CT画像をもとに放射線治療計画

④放射線治療は1回5~15分程度。治療期間は、がんの種類や部位、進行具合などで異なるが、3~7週間程度行うのが一般的

※千葉大学大学院医学研究院画像診断・放射線腫瘍学のホームページから抜粋

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